「コーヒーは煎りたてが一番おいしい」
そう思われる方は、とても多いと思います。
実際、コーヒーの世界では「鮮度が大切」という話をよく耳にしますし、私自身も焙煎をする立場として、その考えには賛成です。
ただし“煎りたて=最高の味”かというと、実はそうとは限りません。
煎りたてのコーヒーは、なぜ不安定なのか
焙煎した直後のコーヒー豆には、焙煎によって生まれたガスが多く残っています。
この状態でコーヒーを淹れると、香りはとても華やかに感じられる一方で、味が尖ったり、どこか浮いたような印象になることがあります。
「香りはいいのに、味がまとまらない」 そんな経験をされたことがある方も多いのではないでしょうか。
焙煎後1〜2日で、味がぐっと整う
焙煎から1〜2日ほど経つと、豆の中のガスがほどよく抜けていきます。
すると、
●味の角が取れる
●口当たりがやわらかくなる
●甘さや余韻が感じやすくなる
といった変化が現れます。
特に浅煎りから中煎りのコーヒーは、
このタイミングで本来の個性がきれいに出やすくなります。
深煎りは「少し待つ」が正解
深煎りのコーヒーは、焙煎によるガスが抜けるまでに少し時間がかかります。
焙煎後5〜7日ほど経ち、豆の表面にうっすらとコーヒーオイルが出てきた頃。
この状態が、深煎りコーヒーのひとつの飲み頃です。
どっしりとしたコクや、まろやかな苦味、甘い余韻が
感じられるようになります。
だからおすすめしたいのは「新鮮な豆」
私がおすすめしているのは、購入時点ではできるだけ新鮮なコーヒー豆を選ぶことです。
新鮮な豆であれば、
- 焙煎直後の若々しい味
- 数日後の落ち着いた味
- さらに時間が経った深みのある味
と、日ごとの変化を楽しみながら飲むことができます。
コーヒーの楽しみは、変化に気づくこと
コーヒーは、焙煎して終わりではありません。
時間とともに味わいが変わり、
その時々で違った表情を見せてくれます。
ぜひ、ご自身のペースで飲みながら、
「このタイミングが一番好きだな」
という瞬間を見つけてみてください。
それもまた、コーヒーの大きな楽しみのひとつだと思います。


