
コーヒー豆の味を決める「精選方法」の違いとは?
コーヒーを飲んでいて、「同じ国の豆なのに味が全然違う!」と感じたことはありませんか?その理由のひとつが、「精選方法(せいせんほうほう)」の違いです。
精選とは、収穫したコーヒーの実(コーヒーチェリー)から、生豆を取り出すまでの工程のこと。実はこの作業が、コーヒーの香りや味わいを大きく左右します。
ナチュラル(非水洗式)
——果実感あふれる伝統的な方法
ナチュラル精選は、収穫したコーヒーチェリーを果肉ごと天日で乾燥させてから脱穀する、最も伝統的な方法です。
水をほとんど使わないシンプルなやり方ですが、乾燥ムラがあると発酵臭が出たり、欠点豆が混ざることもあります。
それでもナチュラル精選で生まれるコーヒーは、果肉の成分が豆にしっかり浸透するため、ワインのような香りや、フルーティで甘みのある味わいが魅力。代表的な豆には、エチオピア ナチュラル モカなどがあります。
果実感や個性を楽しみたい方におすすめの精選方法です。
ウォッシュト(水洗式)——透明感あるクリアな味わい
一方、ウォッシュト精選は、コーヒーチェリーを水で洗い、果肉と粘着質(ミューシレージ)を取り除いてから乾燥させる方法です。大量の水を使う分、欠点豆が少なく、安定した品質の豆が得られます。
味の特徴は、なんといっても「クリーンでスッキリ」。雑味が少なく、素材そのものの香りや酸味をストレートに感じられます。代表的な豆には、グァテマラ、ケニア、コロンビア などがあり、爽やかで上品な印象のコーヒーに仕上がります。
どちらを選ぶかは、気分次第
ナチュラルは「甘み・果実感・香りの広がり」、
ウォッシュトは「透明感・キレ・バランス」。
どちらが優れているというわけではなく、同じ豆でも精選方法が違えば、まるで別のコーヒーのような表情を見せてくれます。
今日は、どんな気分でコーヒーを選びますか?