
コーヒー豆を選んでいると、時々目にする「ピーベリー」という名前。
なんとなく「珍しい豆」「希少な豆」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。
では、ピーベリーとは一体何なのか?
そして、なぜ「突然変異」と言われることがあるのか?
今日はその秘密に迫ってみましょう。
- 本来のコーヒー豆のかたち
コーヒー豆は「コーヒーチェリー」と呼ばれる赤い実の中に入っています。通常、ひとつの果実には2つの種子(豆)が向かい合って入っているのが一般的。そのため、私たちがよく見るコーヒー豆は、片面が平らでもう片面が丸みを帯びています。
- ピーベリーとは?
ところが、稀に1つの実の中に1粒だけしか種子が入らないことがあります。
このときにできる豆が「ピーベリー(Peaberry)」です。
形はコロンと丸く、通常の豆と比べると小粒で、どこかかわいらしい印象があります。
- 突然変異って本当?
「突然変異」と表現されることもありますが、正確には自然に起こる“変異”や“異形”の一種です。果実の発育の過程で、片方の種子が成長せず、もう片方だけが残ることで生まれます。
発生する割合は全収穫量の5〜10%程度。つまり、ちょっとした偶然の産物なんですね。
- 味わいの特徴
ピーベリーは通常の豆と同じ品種・同じ農園で育ちますが、「丸い形ゆえに焙煎の熱が均一に伝わりやすい」とも言われています。
そのため、
・ 香りが立ちやすい
・ 豆本来の特徴が際立ちやすい
といった印象を持つ方も少なくありません。
- ピーベリーを見つけたら
コーヒー豆の世界には「珍しい=特別な体験」という魅力があります。ピーベリーもそのひとつ。見た目の可愛らしさや、偶然の確率でできるという背景を知って飲むと、一杯のコーヒーがまた違った味わいに感じられるはずです。
- まとめ
● ピーベリーは、コーヒーチェリーに1粒しか豆が入らなかったときに生まれる丸い豆。
● 突然変異というより、自然に起こる小さな“偶然”。
●全収穫量の約5〜10%と希少。
●特別な味わいを楽しめる、ちょっと贅沢なコーヒー。
次に「ピーベリー」と書かれたコーヒーを見かけたら、その不思議な成り立ちを思い浮かべながら、ぜひ一度味わってみてください。